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開業をお考えの方へ

様々な視点からの開業医の現状と、有心会で養える開業力について見て行きます。

開業医・勤務医のメリット・デメリット開業医・勤務医のメリット・デメリット

開業医

Merit
メリット
自分の都合に合わせた診療予定が組みやすい
学会やプライベートの都合が付けやすい
医院の方針を自分の裁量で決められる
主体的に地域貢献に関われる
成功すれば大きな収入が得られる
Demerit
デメリット
経営者としての役割を兼任しなければならない
自分の休みが医院の経営に反映される
治療と経営に対する全責任が自分に集中する
クレームに対して矢面に立たなければならない

勤務医

Merit
メリット
資金繰りを考えなくて良く安心できる
治療、スキルアップに専念できる
仕事とプライベートが両立できる
先輩や組織のバックアップがある
スキルや売り上げが法人内で比較される
Demerit
デメリット
勤務先のルールに従う必要がある
スキルや業績が他の勤務医と比較される
すべての提案が採用されるとは限らない
好みの医療機器が選べないことがある

医者は増え、患者は減る。歯科医師と患者様のバランス

まずは全国的な医師数について見ていきましょう。
平成18年以降、厚生労働省の取組みにより、大学における歯科医師の定員削減や、国家試験合格点の引き上げ、平成26年からはさらに、合格基準を厳しく見直すなど、歯科医師の需給問題が明確となっています。
しかし直近10年間では歯科医師数は毎年平均約700人増加していっており、この傾向のまま行くと2030年には歯科医師数は11万人を超える見込みとなります。

歯科医師数の推移

2006年
94,593人
2008年
96,674人
2010年
98,723人
2012年
99,659人
2014年
100,965人
2016年
101,551人

総務省によると、2016年現在での日本人の人口は1.27億人ですが、2030年には1.16億人、2048年には0.99億人と、近い将来日本の人口は1億人を割ると予想されております。
指標とされる人口10万人に対する歯科医師数は、2016年現在で82.4人であるのに対し、2030年には100人程度になると見込まれます。

人口10万人あたりの歯科医師数

2006年
76.1人
2008年
77.9人
2010年
79.3人
2012年
80.4人
2014年
81.8人
2016年
82.4人

開業医の場合、患者数の減少が自分の利益に直接反映される可能性が高く、平均年収を維持することはさらに困難になると思われます。

トレンドは開業医?勤務医?トレンドは開業医?勤務医?

全国的な開業医と勤務医の割合を見ると、そこに一定の傾向が見えてきます。
2016年現在では、診療所で働く医師のうち、開業者と勤務者の割合は、【 約67%:約33% 】となっています。
10年前が【 約72%:約28% 】であったことから、この傾向が継続した場合、2030年には勤務医の割合は約40%程度を占めていると考えられます。

開業医と勤務医の割合

 開業医勤務医
2006年58956人(71.6%)23368人(28.4%)
2016年59482人(66.7%)29684人(33.3%)

また医院数を見ると、個人開設数については、10年前はが2000件近かったものの、2016年現在では約1300件程度となっています。
法人の開設はあまり増減なく300件前後となっており、法人診療所の割合が16%から25%近くまで増加しているのも事実です。

個人医院と法人医院の開設数

 
個人医院数
法人医院数
2006年
1926
307
2008年
1833
258
2010年
1486
247
2012年
1338
262
2014年
1534
328
2016年
1340
320

個人医院と法人医院の数

 
個人医院数
法人医院数
2006年
57366
9373
2008年
56955
10197
2010年
57082
10670
2012年
56378
11481
2014年
55588
12393
2016年
54930
13393

以上のことから、長期的なトレンドとしては、法人での勤務医を希望する歯科医師が増加傾向にあると言えるのではないでしょうか。

この開業リスクは妥当でしょうか?この開業リスクは妥当でしょうか?

当会での多数の開業実績や一般的なケースを元に開業に必要な金額試算は以下のようになります。

開業に必要な金額の目安

診療所のテナント代
300~500万円
外装・内装・電気設備工事
1500万円
医療機器・院内設備
2000万円
当面の運転資金
1500万円
人件費・細かい固定費
300万円/月
その他官公庁への申請関係
数十万円
合計
5500万円

仮に開業資金として500万円を準備できたとしても、5000万円は金融機関からの借金をする必要があります。
35才で開業を決意したとして、55才までの20年での返済計画を組んだ場合、
仮に金利2.5%の20年ローンとすると利息だけで1300万円合計6300万円。月々の返済は、約26万円です。
マイホームや自家用車など家族構成に応じて生活に必要な費用も掛かってきます。
マイホームと車で仮に20万円必要とすると、合計で月々46万円にもなります。
さらに生活費も必要となれば、手元にいくら残せるでしょうか。医院運営が軌道に乗るまで耐えられるでしょうか。
歯科医としてのスキルだけでなく、ビジネスのセンスも問われる課題が多く存在します。

各地における歯科医院の現状各地における歯科医院の現状

ここまでは日本全国の平均的な数値を例にしてきました。ここからは実際の都市を例に見ていきます。
医院運営に大きく関わる1院あたりの人口をベースに3つのカテゴリに分類、その都道府県における1院あたりの人口が、全国平均を下回るカテゴリを「都市型」、上回るカテゴリを「地方型」、平均的なカテゴリを「平均型」とします。
そして、カテゴリのサンプルとして、それぞれの傾向が顕著な都道府県を3つずつ挙げ、それぞれの特徴から歯科医院の現状を見ていきます。

都市型歯科医院

都道府県
東京
大阪
福岡
人口(万人)
1300
880
510
歯科医院数
10650
5500
3000
1院あたりの人口
1270
1600
1650
平均年収(万円)
920
930
510

医院数は過剰、東京や大阪などのような他府県からの流入が見込める都市は比較的年収は高い、大都市でも近隣が地方都市の場合流入が見込めない、という傾向から、医院数が過剰な大都市での売上には、他府県からの流入獲得が重要で、そのためには広域での競合との差別化、広告力、それを継続する体力(資金)が不可欠と言えます。

地方型歯科医院

都道府県
石川
福井
島根
人口(万人)
115
78
69
歯科医院数
480
290
270
1院あたりの人口
2400
2700
2560
平均年収(万円)
720
510
540

医院数は過小傾向、人口(患者となる母数)は都市型、平均型に比べて優位性がある、平均年収は比較的低い、傾向にあります。平均年収の低さから、近隣の大都市への流出が多いと考えられます。地域の受け皿として大都市医院の高い広告力に勝てる魅力あるブランディングが必要となります。

平均型歯科医院

都道府県
神奈川
兵庫
長崎
人口(万人)
91
55
113
歯科医院数
4900
3015
740
1院あたりの人口
1800
1840
1860
平均年収(万円)
800
610
620

医院数は平均的、平均年収は地方都市より少し高めの傾向にあります。このカテゴリは、都市型の医院ほど体力はないが、地方では物足りなさを感じる中堅医院の進出が多いと思われます。医院数は平均的ではあるが、その水準自体が高くなってきています(※20年前は1院あたり2100人程度)。大都市型の広告展開と医院周辺地域へのブランディングの両面でバランス良く訴求することが不可欠です。

開業医に絞った場合、上記の平均年収より高くなると思われますが、月に60万円以上の出費が必要となる開業を成功させるためには、既存患者の少ない初期の数年を耐える資金繰り、そしてその後も継続して高い広告力をキープできるオンリーワンの診療展開、そして何よりビジネスセンスが重要と言えます。

まとめまとめ

東京では年間300件、約3%が廃業、新規開業で見ると約3割が3年以内に廃業していると言われています。
歯科医の年収分布では、40代後半以降でないと開業できる程の返済力がないのも現状です。

世代別平均年収

30代前半
600万~650万
30代後半
600万~800万
40代前半
700万~950万
40代後半
1000万

開業医の平均年収は1200万円といわれていますが、事業所得として申告した歯科医約5万人のうち、1200万円以上の年収があった歯科医は28%程度で、72%は平均年収を下回っていたというデータがあります(※高額所得ランキングソフト「高額所得ランキング2013」(発売元(株)タックスデータバンク)より引用した2011年時の参考数値)。
年収的に余裕のある開業医を夢見たとしても、実際には40代後半という年齢から、11万人いる歯科医の中で上位30%に食い込めた者のみとなります。

ここまで歯科業界を取り巻く状況について見てきました。
体力のある法人は巨大な市場を求め都市部へ集中し周辺都市も商圏に。
空洞化した地方であっても目の肥えた患者は良い医院を求めて他府県へ。
患者数ゼロからの開業を成功させるために乗り越えるべき課題が様々あったと思います。

患者様に責任ある歯科治療を提供するために、あなた単体、競合がひしめく市場に対して、どうアプローチしていきたいですか。
市場があなたを差別化して評価してくれるために何が必要なのでしょうか。
悩みを抱える患者にとって歯科医としてのあなたの本来の価値は尊いものであるはずです。
経営者になり患者獲得に奔走するか、1人のドクターとして治療に汗を流すか。
あなたの歯科医師としてのQOL(クオリティオブライフ)にとって非常に重要な選択となります。

採用担当よりご見学受付のお知らせ

すでに転職をご決断の方はもちろん、将来的にという方も是非ご見学にお越しください。 堅苦しさは抜きにして、まずはクリア歯科がどんなところなのか知ってみてください。 また当会の募集要項に当てはまらない場合であってもご希望に沿えることもございますので、お気軽にお問い合わせください。

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